【気功(きこう)とは】
気功(きこう)は、中国で編纂された各種健康法のエッセンス。
1957年に劉貴珍が『気功療法実践』を著し、気功という名が一般に定着した。
気功の基本は、心身のリラックスにある。
中国語では体のリラックスのことを「放鬆」(ほうしょう)、心の安定した状態を「入静」(にゅうせい)と言っていて、両者を合わせた「鬆静」(しょうせい)状態が気功を行なうときの基本となっている。
心身が安定してゆるんでいる状態で、動作、呼吸、イメージを用いて、総合的に心身の自己コントロールを行なうのが気功の特徴である。
気功の源流は、古代医術やシャーマニズム、伝統武術、導引や按摩など民間の健康法、仏教・道教などの宗教の修行法など多岐にわたる。そうした様々な行法の中から、病弱な人でも自分でできる効果が高いものを選び、簡単なことの繰り返しで成果が上がるように工夫されてきたのである。
日本からは岡田式正座法、霊動法などが伝わり中国気功に影響を与えた。
中国では陰陽五行説や中医学の経絡理論などと結びついて、民間の健康法として公園などで広く行なわれていた。
また、一定の医療効果を上げてきたので、中国では病院や療養所などで気功科を併設している場合もある。
そうした、医療健康面での功績のために、布教活動が禁止されている中国の中でも、気功と言えば宗教的な色彩のものでも容認される傾向が生まれ、1980年代以降、新しい宗教気功が次々と現れた。
その結果、本当に役に立つ素晴らしい中身のものもあれば、迷信的教義的なものもあるというように、中国気功界は玉石混交で見分けがつかずに混乱し、1999年の法輪功事件に至った。
法輪功事件以後、集団で気功をすることの規制が厳しくなり、現在の中国では郭林新気功など一部の公認グループを除いて公園で気功をしているのを見なくなった。中国では現在、健身気功という政府公認の気功を編集している。
日本や台湾では中国と交流が深く、中国国内のような規制がないため、気功各派の自由な交流があり、武術、健康法や民間体育、各国の伝統療法、現代の臨床心理療法などとも結びつきながら、様々に深化発展している。
分類では、体操と呼吸法とイメージ・トレーニングとを併せたような内気功と、その応用として超能力的な外気功とに大別される。
さらに、外気功を二つに分け、美容や治療を含めた健康面に関する気功を軟気功、護身術など相手を倒したりするものを硬気功と分類する場合もある。
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